アレックス・ロドリゲス
SEA(1994-2000)-TEX(2001-2003)-NYY(2004-2016)
通算成績 2784試合 .295 3115安打 696本塁打 2086打点 329盗塁 fWAR113.6
獲得タイトル:MVP3回、首位打者1回、最多本塁打5回、最多打点2回、シルバースラッガー賞10回、ゴールドグラブ賞2回
2002年 162試合 .300 187安打 57本塁打 142打点 9盗塁 fWAR10.0
A・ロッド
1990年代後半から2000年代を象徴するスラッガー。
MLB歴代5位の通算696本塁打、歴代16位のrWAR117.5(野手としては歴代12位)、ショートとしてのシーズン記録である57本塁打など打撃成績においては非の打ち所がないスター。
ヤンキース時代はジーターが在籍していたため、サードでの起用が中心だったが、マリナーズ〜レンジャーズ時代はショート1本でプレー。負担が大きいポジションでありながら、1998年から6シーズン連続で40本塁打以上を記録。
1998年に42本塁打・46盗塁で40-40を達成するなど、大柄でありながらスピードもあり、ショート守備でも強肩を活かしたプレーが光り、ゴールドグラブ賞を2度も獲得。守備指標も優秀で、2002年にはUZRプラス12.5を記録している。
ここまでを切りとれば、満票で殿堂入りしていてもおかしくないレベルだが、殿堂入りはほぼ不可能。その理由はA・ロッドがドーピングの常習犯であったため。
A・ロッドは全盛期の頃からステロイド使用の噂があったが、2013年のバイオジェネシススキャンダルで事実であったことが判明。マグワイア、ボンズ、クレメンスらがステロイドに手を出した時は、MLB機構が明確な指針を打ち出していなかったが、A・ロッドがプレーしていた時には、明確なNGが出ており、確信犯であったこともさらにタチが悪い。
こうしたドーピング問題に加え、A・ロッドは激しいゲッツー崩しや、ブロンソン・アローヨのグラブを叩きセーフになろうとしたプレーが象徴するようにラフプレーが目につき、過激な発言も多くメディアからの好感度も最悪。
そのため、同じくヤンキースでプレーしていたジーターがMLBの顔であったのに対して、A・ロッドはMLBもヒール役としての側面を担っていたとも考えられる。
2016年に事実上ヤンキースから追放された後は、ESPNの解説として活躍。また、球団オーナーになることにも関心があり、メッツが売りに出された時は新オーナーに名乗り出て話題になった*1。
査定に関して
広角打法
A・ロッドといえばプルヒッティングのイメージが強いが、2002年は逆方向に11本塁打を記録するなど広角打ちが光った。
ハイボールヒッター・対ストレート◯
A・ロッドは高めの速球に強いイメージ。実際にPitch Valuesを見ると2002年は速球に対して49.2と異次元の数字を残している。
プレッシャーラン
ゲッツー崩しはA・ロッドの代名詞
満塁男
A・ロッドはキャリアを通して満塁の場面に強く、通算で放ったグランドスラム25本はMLB歴代最多記録。2002年も1本の満塁弾を放っている。
マルチ弾
2002年は10回のマルチ本塁打を記録。8月17日ブルージェイズ戦では1試合3本塁打と大暴れ。
Nishiのひとりごと
A・ロッドは純粋な打撃成績だけを切りとればMLB歴代最高のショートの最有力候補。だが、ステロイド問題は擁護のしようがないほど酷く、歴代最高のショート論争ではリプケンらの後塵を拝している。
*1:コーエン氏に資金面で敵わず撤退